元号と校正のはなし

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新元号は「令和(れいわ)」と発表されましたね。
我が子は平成生まれの1歳ですが、生まれた直後はもうすぐ平成が終わるなんて考えてもみませんでした
今回は、和暦の元号と校正について書いてみます。

 

西暦・和暦の表記と区別

まず、年号の表記には西暦と和暦があります。
現在使われている西暦はグレゴリオ歴(新暦)といい、キリスト教で使われている暦です。
(西暦には旧暦もあります。ユリウス暦がそれにあたりますが省略します)

元号は和暦で用いる称号です。和暦は日本だけで使われているため、よく西暦と併記してあったりします。
官公庁の公文書一部の新聞・メディアでの年号表記は和暦ですが、一般的に使うのは西暦が多いかもしれません。
皇位継承のタイミングで改元されるため、年の途中から元号が変わります。今年もそうですね。

そのため、次の表記はすべて正しいことになります。

2017年(平成29年)●月●日
2019年(平成31年)2月14日
2019年(令和元年)6月4日

平成→令和ならリアルタイムで体験しているからあまり間違えることはないでしょうけれど、
過去の改元のタイミングだとわかりにくく、日付まで書かれていない場合は「誤りかな?」と疑ってみたりします。
確認すると実際に誤りだったりすることもあるので、調べてみることは大事ですね
よくあるのは、同じ年で元号が変わっているとき、やはり改元の前後です。
昭和64年1月1日という表記のそばに昭和64年3月などとあったら、指摘を入れます。
(昭和64年は1月7日までで、翌日からは平成元年となりました)

そして、元号切り替わりに気をとられていると、陰でひっそり西暦の年号が対応していなかったりすることもあるので要注意です。



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歴史考察的な文章で多用される和暦

一般書やコラム記事など、現在のことをテーマにしている文章の校正ではあまり意識する機会はないものの
歴史をさかのぼって紹介する文章があると、けっこう和暦旧暦が出てきます。
対応表をわきに置いて確認し、前後の文脈と齟齬がないか注意深く見ていく必要があります。
西暦であっても表記には注意します。歴史の話で紀元前●年頃とか、●世紀とか、そうした表記があったら「特に指示がない限り新暦(グレゴリオ歴)で換算」です。
文脈によってはわざと旧暦を使用している場合もあるため、そのときは赤字ではなく鉛筆で質問します。

日本の歴史に関する文章を校正する機会があったら、元号と西暦の対応には慎重になりましょう。
特に、日本がグレゴリオ歴を採用した明治6年(1873年)以前は和暦のみで、採用とともに日にちがずれています
(明治5年12月2日の翌日を、グレゴリオ歴の1873年1月1に合わせて明治6年1月1日と制定しています)

暦の変更や改元によって、江戸時代以前の元号と西暦、あるいは登場人物の年齢は、詳しく調べてみると複雑ですらあります。
年齢に関しても、昔は数え年だったとか、生年月日に諸説ある人物がいるとか、現代とは事情が違います
歴史的考証に携わる専門家や、研究書の著者は膨大な知識量があってすごいなといつも思います。

 

おまけ:年号の表記統一

ところで、年号の表記漢字表記だと数パターンあるため統一するのが望ましいところです。
二〇一九年 一〇月二四日
二〇十九年 十月二十四日
(一〇と十が混ざっていたら、どちらかに統一)

平成三一年 一〇月二四日 ×
令和元年  一〇月二四日 ◎
(数字表記に気をとられて、元号の変更を見逃してはなりません!)



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